【Lancet】Smartphone-enabled video-observed versus directly observed treatment for tuberculosis: a multicentre, analyst-blinded, randomised, controlled superiority trial

【Lancet】Smartphone-enabled video-observed versus directly observed treatment for tuberculosis: a multicentre, analyst-blinded, randomised, controlled superiority trial

[目的]直接監視下療法(DOT)は1990年代前半から標準的な結核治療であるが、患者やサービス提供者にとって不便である。ビデオ観察療法(VOT)はDOTに代わるものとしてWHOが条件付きで推奨している。我々は観察治療のレベルがVOTにより改善されるかどうかテストした。

[方法]イギリスの22施設にて多施設共同無作為化比較優越性試験を行った。参加資格者は、地域固有の手引きに従ったDOT参加資格車で16歳以上の活動性もしくは非活動性肺結核とした。除外基準にはスマートフォンを充電できない患者を含んだ。参加者を無作為にVOT(スマートフォンアプリを使用した毎日の遠隔観察)もしくはDOT(自宅、コミュニティもしくは診療所での、週3〜5回の観察)に割り付けた。主要評価項目は観察開始から2ヶ月間の、80%以上の服薬確認完遂とした。

[結果]2014年9月1日〜2016年10月1日までの期間で、226例の患者をVOT群112例、DOT群114例に割り付けた。全体の131例(58%)にホームレス、受刑者、薬物使用、アルコール依存症精神疾患などの既往歴があった。ITT解析では、VOT群は観察開始から2ヶ月間の服薬確認を完遂したのが78例(70%)だったのに対し、DOT群では35例(31%)だった。限定的解析(割り付けられた治療群で少なくとも1週間の観察期間を完遂した患者のみ)では、VOT群が101例中78例(77%)だったのに対し、DOT群では56例中35例(63%)だった。主な有害事象は胃痛、悪心、嘔吐だった(VOT群16例(14%)、DOT群9例(8%))。

[結論]VOTはDOTより結核治療の確認に、より効果的なアプローチだった。

 

原文

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)32993-3/fulltext